時々「単語の意味は文脈から推測できるから覚える必要はない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。もちろんここで言う単語とは基本レベルではなく、ある程度の水準を超えた比較的難易度の高い単語を指します。
皆さんはどうでしょうか? 例えば、赤本を解いている時に知らない単語に出会うことは日常茶飯事でしょうが、毎回しっかり覚えていますか? それとも二度と出会うことはないだろうから暗記しないと割り切っていますか?
難易度の高い単語を覚えるか否かというのは多くの受験生が悩む問題だと思います。今回、私はこの問題に対して一つの意見を書いていきます。皆さんの考え方もあるので強制はできませんが参考にして頂けたらと思います。
最初に結論を述べておきましょう。私は知らなかった単語をどんどん覚えていくべきだと考えています。理由は三つあります。
時間の節約
試験では結構な量の英語の長文を読まされますので、時間との戦いでもあるわけです。それなのに単語を推測しているなんて、時間がもったいないとは思いませんか? 単語でつっかかりにくくなると時間が節約できます。結果的にその節約した時間を他の問題に費やすことができるのです。また問題によっては長文中の単語に線が引いてあって似た意味を持つ単語を選択肢から選べ、というのもあります。単語を覚えていれば長文を読まなくても答えることができますので、これも大幅な時間短縮になります。
内容がつかめなくなる
推測した意味が間違っていた場合、その文の意味が不正確になります。他の部分でも推測した意味が間違っていれば意味の通らない文ばかりになり、いよいよ文章全体の内容がわからなくなってしまうこともあるでしょう。
冷静でいられる
単語帳を含め、赤本の英語の長文に出てきた単語まで覚えていると、知らない単語が試験で出てきても焦らなくなります。「その単語は単語帳にも載っていなかったし、今までやってきたどの赤本にも載っていなかったから、おそらく他の受験生も知らないだろう」と考えることができるのです。そして、この単語の意味を文脈から推測しなければ解けない問題があれば推測し、そうでなければ読み飛ばしてしまうとよいでしょう。いずれにせよ、こういった選択ができるのもたくさんの単語を暗記している確信があるからなのです。
これら三つの理由から、知らない単語に出会う度に覚えていく方が良いと言えます。できるだけ覚えなければならない単語を減らしたい気持ちもわかりますが、こうして地道に覚えていくことが語彙力アップにつながります。どの外国語においても、やはり単語がわからなければどうしようもないので、貪欲に覚えていってください。