完了形のまとめ

英語の完了形のイメージをつかむ

投稿日:2016年01月05日(火)
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今回は完了形について説明します。

完了形のうち現在完了は中学で習う文法事項で、皆さんの中にも「完了・結果、経験、継続」というものを覚えさせられたのではないでしょうか?

私も覚えさせられたのですが、覚えが悪くて現在完了が出た時には「~していた」「~た」などと訳していました。それから大学受験を迎えて、当然苦しむわけです。仕方がないので先の「完了・結果、経験、継続」を覚えました。

「完了・結果、経験、継続」を覚えたところで意味があるのだろうか?

「完了・結果、経験、継続」を覚えた私でしたが、相変わらず現在完了というものが釈然としませんでした。これを覚えたところで、どう日本語訳に活かしたらよいのかわからない、現在完了の文法問題も正しく理解して解けているような気がしない、などの疑問がたくさん湧いてきました。これに加えて過去完了の文法問題も出てきて本当にどうしたら良いのかわからなくなりました。

過去完了の文法問題

先の過去完了の文法問題とは以下のものです。

I (                  ) in China for three years when I was a child.

a.lived
b.had lived
c.live
d.have lived

問題集によく載っている典型的な問題ですが、現在完了、過去完了、過去形を正しく理解できる素晴らしい問題だと思います。

この問題のことを私は過去完了の文法問題と書きましたが、実は過去形livedが答えです。なぜ過去形が答えになるのか、それを理解するには完了形がどのようなものであるかを知らなくてはなりません。まずは現在完了から見てみましょう。

現在完了とは何か?

現在完了のイメージは図のようになります。

完了形1

このイメージについては以下の二つの比較して説明します。

ex)①The train went.
ex)②The train has gone.

二つの文のイメージは以下のようになります。

完了形2

①は過去形で、過去のある時点における電車の行為の記述に留まっています。ですから「過去のある時点で電車が発車した」という過去の出来事のみを伝えています。

一方で、②の現在完了は①が表す「過去のある時点で電車が発車した」という過去の出来事に加えて、その過去のある時点から現在に至るまでの様子も表すのです。電車が発車した後には当然駅に電車は停まっていません。過去のある時点に発車した後から、現在に至るまで電車のいない状態が続くことになります。現在完了はこの状態も表します。

したがってここでの現在完了は、

(ⅰ)「過去のある時点で電車が発車した事実」

(ⅱ)「その後から現在に至るまでの電車の状態」

を表しています。ここで忘れてはならないのが、あくまでも現在完了が表す時の中心は現在ということです。

つまり、「(ⅰ)、(ⅱ)と来て、現在電車がいない」とここの現在完了は伝えているのです。もちろん現在の記述に重きを置いているからといって、(ⅰ)と(ⅱ)が不要というわけではありません。なぜなら(ⅰ)と(ⅱ)がなければ「現在電車がいない」という状況は生じないからです。

というわけで②の訳は「過去のある時点で電車が発車した。そして現在に至るまで電車がいない」すなわち「電車は発車してしまった」という訳になるのです。何度も書きましたが、現在完了は現在に重きを置いているのでThe train has gone.という文を読むと、発話者は電車に乗り遅れてしまった、と受け手は理解するわけです。もちろんこの辺りも文脈によって変わる可能性は否定できませんが、「電車が発車して、現在電車がいない」という状況ですから、電車に乗り遅れたというニュアンスが込められていると解釈するのも間違いではないでしょう。

 

さて、もう一度現在完了のイメージを見てみましょう。

完了形3

(ⅰ)過去のある時点の出来事。

(ⅱ)過去のある時点から現在に至るまでの様子。

(ⅲ)(ⅰ)と(ⅱ)を受けて、現在の状況。

現在完了を一般化すると、(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)を表し、そのうち(ⅲ)に重きを置いている用法となります。

細かいことをたくさん書きましたが、非常に簡単に書くと現在完了が表すものは「今までに何かあったみたいだけど、結局のところ今はどういう状態なの?」という問いに対する答えなのです。

説明のために言葉で書きましたが、理想は言葉を介さずイメージでインプットすることです。そうすることで、英語を英語のまま理解できるようになりますので是非目指してみてください。

「完了・結果、経験、継続」は覚えなくても大丈夫!

ここからは現在完了のイメージから「完了・結果、経験、継続」を導いてみましょう。

「完了・結果」については先程のThe train has gone.の解説を見て頂けるとわかると思いますので、「経験」からにしましょう。

ex)I have watched the movie twice.

完了形4

イメージとしては上のような図になります。

ここで言う過去のある時点とは一体いつでしょうか? おそらく当たり前のこと過ぎてピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。ここでの過去のある時点とは「生まれた時」です。あまりにも当たり前のことですからsince I was bornなどとは書かないのです。したがって先の(ⅰ)「過去のある時点の出来事」は「私が生まれた」となります。

次に、(ⅱ)「過去のある時点から現在に至るまでの様子」は「生まれてから現在に至るまでに二回映画をみたこと」です。そして(ⅲ)「(ⅰ)と(ⅱ)を受けて、つまり生まれてから、二回その映画を見て、現在に至る」わけですから「二回その映画を見たことがある」という経験のニュアンスになるのです。

 

では「継続」について考えてみましょう。

ex)I have played soccer for two hours.

for two hoursと書いてあるので、過去のある時点は二時間前です。そして二時間前から現在に至るまでサッカーをし、現在に至る。よって「二時間サッカーをしている」となるのです。

 

これらのことを踏まえると、現在完了のイメージさえ理解しておけば「完了・結果、経験、継続」を覚える必要はないことがわかるでしょう。私も一度は覚えたのですが結局忘れてしまったので、今回この記事を書くために「完了・結果、経験、継続」を参考書でわざわざ調べました。

細かい話が苦手な方は、まずは「今までに何かあったみたいだけど、結局のところ今はどういう状態なの?」という考え方が「完了・結果、経験、継続」を網羅していることを確認してみてください。

過去完了とは何か?

基本的に過去完了になってもイメージは変わりません。現在完了が過去に移っただけのことです。
完了形5

大過去というのは文法用語で過去よりも前の過去のことです。大過去という名前だからといって、必ずしも大昔を指すわけではありませんので注意してください。

ex)When I got home last night, I found that somebody had broken into my house.
昨夜帰宅したら、誰かが家に侵入したことがわかった。
(表現のための実践ロイヤル英文法より引用)
完了形6

大過去は「誰かが家に侵入した時」、過去は「昨夜帰宅した時」です。

(ⅰ)誰かが家に侵入したという出来事。

(ⅱ)その後から昨夜帰宅する時(過去のある時点)までの家の状態(荒らされていたのでしょう)。

「(ⅰ)と(ⅱ)を受けて、昨夜帰宅した時に誰かが家に侵入したとわかった」となるのです。

先の「今までに何かあったみたいだけど、結局のところ今はどういう状態なの?」を過去完了に対応させてみれば、「大過去から過去に至るまでに何かあったみたいだけど、結局のところその過去の時点ではどういう状態だったの?」となります。この問いに対する答えが過去完了の表すものなのです。

過去完了の例外

過去完了は現在完了を過去に移しただけと書きましたが、実は過去形をより過去に、つまり大過去に移したものもあるのです。ここが過去完了のややこしいところですので注意してください。

イメージは以下のようになります。

完了形7

わざわざ過去を書いたのは、大過去は過去が示されていない時には存在しないからです。大過去は過去よりも前の過去の時点を示すものですから、そもそもその基準となる過去がなければその過去よりも前の過去は存在するはずがありません。そのため大過去は過去とセットで使われます。

ex)I had seen the man an hour before the police officer arrived.
私は警官が着く一時間前にその男を見かけていた。
(表現のための実践ロイヤル英文法より引用)

この過去完了は現在完了を過去に移したものではなく、過去形に対応するものです。

完了形8

したがって、ここでは「警察が到着する一時間前に私はその男を見かけていた」であって「警察が到着する一時間前まで私はその男を見ていた」ではありません。前後がないので確実なことは言えませんが、おそらくthe manというのは犯人、あるいは犯人だと思われる人物でしょうから、もし後者だとしたら「早く捕まえろ!」という話ですよね。こういった文脈から前者の方が適切でしょう。

このように過去完了には過去形に対応するものもありますので注意してください。

文法問題を解いてみよう

長くなりましたが、先程の文法問題を解いてみましょう。

I (                  ) in China for three years when I was a child.

a.lived
b.had lived
c.live
d.have lived

まず現在形と現在完了が間違っているのはよろしいでしょうか? 現在完了は「今まで何かあったみたいだけど、結局のところ今はどういう状態なの?」という問いに対する答えを表す用法でした。つまり現在完了は現在に属するのです。ここではwhen I was a childと書かれているので過去のことだとわかります。したがって現在形と現在完了は不適です。

過去形と過去完了が残りました。for three yearsという期間を表す副詞句があるので過去完了を選びたくなるでしょうが、ここは過去形が適切です。

The train has gone.でも見たように副詞(句)がなくても完了形は使えます。副詞(句)と一緒に使われる頻度が高いだけで、必ずしも一緒に使わなければならないというわけではないのです。したがって「期間を表すfor three yearsという副詞(句)があるから完了形だ」と考えるのは間違いです。

そもそもfor three yearsだけでは期間がわかっても、どの時点からどの時点までのことを指しているのかわかりません。これまでにいくつか見てきたように、完了形では必ず、どの時点からどの時点までなのかが明確に示されています。

The train has gone.のような副詞(句)がない場合でも同様です。「電車が発車した時点から現在まで」というどの時点からどの時点までなのかが暗黙のうちに示されているのです。

ではI have played soccer for two hours.は誤りなのでは? と思われるかもしれませんが、現在完了を用いているため「過去のある時点から現在まで」ということがわかります。for two hoursですから現在から二時間遡った時点が過去のある時点だと特定できます。そういうわけで、I have played soccer for two hours.は正しい文なのです。

完了形9

このように完了形ではどの時点からどの時点までなのかが示されていなければなりません。しかし今回の文法問題ではどの時点からどの時点までなのかがわかりません。「when I was a childが過去のある時点だと考えれば問題ない」という反論があるかもしれませんが、この考え方は間違いです。

完了形10

反論を図にするとこのようになります。大過去は「子供だった時よりも三年前」となりますが、それは一体どんな時でしょうか? うまく答えられませんよね。やはり過去完了は使えないのです。

よって、答えは過去形となり、訳は「私は子供の時三年間中国に住んでいた」です。この文は単に過去のある時点での出来事を表しているだけだったのです。

いかがでしたでしょうか? この問題は受験生の一つの壁だと私は考えています。この問題が正しく理解できていると読解で完了形が出てきてもスムーズに処理できます。

※When I got home last night, I found that somebody had broken into my house.のように、when節と一緒に過去完了が使われることもあります。その都度考えて時制を選んでください。

まとめ

最後にこれまでの話をまとめておきます。

・「今までに何かあったみたいだけど、結局のところ今はどういう状態なの?」に対する答えが現在完了の表すものです。

・もっと細かく書くと、

(ⅰ)過去のある時点の出来事。

(ⅱ)過去のある時点から現在に至るまでの様子。

(ⅲ)(ⅰ)と(ⅱ)を受けて、現在の状況。

現在完了を一般化すると、(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)を表し、そのうち(ⅲ)に重きを置いている用法となります。よって現在に属する用法です。

・どの時点からどの時点までなのかが(暗黙のうちにでも)示されていないと使えない用法であることに注意してください。

・過去完了には現在完了を過去に移したものと、大過去でも出来事を表す過去形に対応するものがあります。

もちろんこれを丸暗記するだけではなくて、理解して完了形を見たら無意識のうちにイメージが浮かぶように頑張ってください。こういうことを地道に続けることが英語を英語のまま理解することにつながります。

 

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