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it, this, thatの意味と違いを例文とともに解説

投稿日:2015年12月29日(火)
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長文を読んでいると頻繁に目にするit, this, thatですが、意外と多くの方が何を指しているのかがわからずに悩んでいるのではないでしょうか? 当然文脈から考えなければならない場合は多々ありますが、それでもit, this, thatについて大まかに知っている方が有利でしょう。

今回は文章を読む上で知っていると役に立つit, this, thatについてまとめました。itの項目の例文と説明、this, thatの項目の例文と説明については「表現のための実践ロイヤル英文法」を、itとthis, thatの違いの項目については「ウィズダム英和辞典」を参考にしております。

it

(ⅰ)前に出た特定のものを表す。

ex)I can’t find today’s newspaper. Do you know where it is?
(今日の新聞が見つからない。どこにあるか知っていますか)

※it = today’s newspaper

oneと区別しましょう。

ex)I’ve lost my umbrella. I have to buy a new one.
(私の傘を失くしてしまった。新しいのを買わなければ)

ここでoneをitとすると、失くした傘を買わなければならない、という意味不明な文章になってしまいます。it(特定)は同じものを指し、one(不特定)は同じ種類のものを指します。

 

(ⅱ)不可算名詞を受ける。

ex)Oil is lighter than water, and it floats on the ocean surface.
(石油は水より軽くて、海面に浮きます)

※it = oil

 

(ⅲ)前に出た句・節・文の内容を表す。

ex)I like having wine with dinner, too. I think it is a wonderful custom.
(私も夕食にワインを合わせていただくのが好きです。すばらしい習慣だと思います)

※itは前の文のhaving wine with dinnerを指しています。

ex)You mustn’t ask people their ages. It is impolite.
(人に年を聞いてはいけません。失礼ですから)

※このitはasking people their agesという内容を指しています。

 

(ⅳ)後ろの内容を指す。

itはitより後ろにある従属節や主節の内容を指すことができます。

ex)I would consider it an accommodation if you would meet me tomorrow instead of today.
(今日ではなくて明日会ってくれたら、私にとって都合がよい)

※it≠形式目的語
※accommodationは「好都合」の意味です。
※if節内のwouldは「意志」のwillの仮定法過去です。

ex)I did not know it at that time, but she saved my son’s life.
(その時は知らなかったのだが、彼女が私の生命を救ってくれたのだ)

 

・補足

文頭に副詞句や副詞節がある場合、その中にある人称代名詞(指示代名詞ではit,thisも同様)は後ろの節(主節)にある語を受けることがあります。下の第2例はAlthough she felt illの部分が副詞節で、第1例はSheはmy motherではありませんが、第2例はShe=my motherの可能性があります。

ex①)She felt ill, but my mother said nothing.
(彼女は気分が悪かったが、私の母は何も言わなかった)

ex②)Although she felt ill, my mother said nothing.
(気分が悪かったが、私の母は何も言わなかった)

ただ、上のitの例文のように、itは主節にあっても副詞節の内容を指すことができ比較的自由です。

この他に、特別用法「天候・時間・距離などのit」「状況のit」「予備のit(形式主語、形式目的語のit)」があります。申し訳ありませんが、ここでは扱いません。

またthey, themはitの複数形ですが、(ⅱ)不可算名詞を指す、(ⅲ)前に出た句・節・文の内容を表す、という用法はありません。

this, that

(ⅰ)前の文の内容を指すthis,that

thisもthatも、前の文またはその一部の内容を指します。

ex)In September, she got a driver’s license. That[This] has, and it possible for her to commute to work by car.
(彼女は9月に運転免許証を取得した。それで、車で通勤することができるようになった)

※That[This] = she got a driver’s license

ex)At sunset, sunlight travels through a greater thickness of atmosphere than it does at noon. This[That] is why the sun looks redder then.
(正午に比べて日没ごろの日光は多くの大気を通らなければいけない。こういうわけで、そのときの太陽は比較的赤く見えるのだ)

※This[That] = sunlight travels through a greater thickness of atmosphere than it does at noon

相手が言った言葉をすぐ受けて、「それは……」と言うときには、itではなくthatを用います。

ex)”Why don’t you take a break?” “That’s a good idea.”
(「ひと休みしないか」「それはいい考えだ」)

 

(ⅱ)後続する文の内容を指すthis

後ろの文の内容を指すには、thisは使えますが、thatは使えません。

ex)The story begins like this: Seeing is believing, but sometimes our eyes deceive us.
(話はこう始まっている。百聞は一見にしかずだが、我々は見た目にだまされてしまうときもある)

※this = seeing is believing, but sometimes our eyes deceive us

ex)Now here[listen to]this.
(さあこれから言うことをよく聞いてください)

※thisは”直後に話すこと”を指します。

itとthis, thatの違いについて

※「ウィズダム英和辞典」から引用しました(一部改変)。

(a)基本的用法

it,this,thatはいずれも既出の事柄にふれることができますが、itは最も中立な語で、単に前の内容を引き継ぐだけで特に焦点を当てることもなく強意的な響きはありません。thisとthatはitよりも強意的で交換可能なことも多いですが、thisは興味深い事実に焦点を当て身近なものとして捉え即時性を暗示し、新しい話題が続く(新しい話題を膨らませる)ときや自分自身の観察・意見を述べる際に好まれます。一方、thatは焦点をぼかして心理的距離を置き、それで話題が終わるときや他の人の観察・意見を述べる際に好まれ、否定的態度(訂正や批判)を暗示することもあります。そのため一般的な表現をする際にはthis,thatよりもitの方が好ましいです。

thisは、実際に物理的な距離が近いものだけでなく、心理的に近いものにも用い、thatは遠いものを指すのに用います。したがって、thisには自分自身の観察・意見(主観的)(領域内)、thatには他の人の観察・意見(客観的)(領域外)というニュアンスが含まれます。thisは自分と自分の近辺を含めた領域内部のものを指し、thatはその領域の外にあるものを指すと考えるとわかりやすいです。

A:How about dinner tonight? (今晩夕食でもどう?)
B:That sounds good. (それはいいね)

ここでthatが使われているのは、夕食の誘いが相手の意見だからです。

また、thisには「(現在話題となっている時間を指して)今、今日」という使い方がありますが、これは「今」は自分がいるところ、自分の領域というイメージがあるからです。this morning「今朝」のように指示形容詞thisでも同じことです。

ex)This is my birthday.
(今日は私の誕生日です)

このthisに対してthatは「今」、つまり自分の領域から離れた「過去・未来」を指すことがあります。

ex)At that time I was 7 months pregnant.
(その時私は妊娠7か月だった)

thisがプラスイメージ、thatがマイナスイメージというように決めることはできませんが、itに対してthisとthatは話者あるいは筆者の何らかの感情が込められていると考えた方がよい場合があります。

ex)She’s about ninety. She had somebody knocking at the door shouting “Fire! Fire!” and it was just a trick to get her out of the house.
(彼女はほぼ90歳。彼女の家の玄関を「火事だ火事だ」とノックする者がいたんだがそれはまさに彼女を家からおびき出そうとする罠だった)

※itの代わりにthisを用いると重大なことと捉え親身になった言い方(主観的)、thatを用いるとささいな他人事と捉える言い方(客観的)となります。

ex)”Thank you so much!” “It’s nothing.”
(「どうもありがとうございます」「大したことはありません」)

※It’s nothing.はお礼・褒め言葉・謝罪などに対する謙遜を表します。That’s nothing.は「そんなことは大したことではない」と相手を貶す言い方です。

 

(b)どの名詞句を指すか。

指し示すべき名詞句が複数ある場合、一般に、itは議論の中心となる名詞句を、thisとthatは最後に導入された新しい名詞句に言及します。

ex)We keep the copy machine in the lounge. It is mainly used by the students.
(休憩室にはコピー機が備えてあります。それ(=コピー機)は主に学生が使っています)

※This[That] is……では「これ[それ](=休憩室)は主に学生が使っています」の意味になります。

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