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語彙力もある、文法もできる、そんな方が長文になると途端に読めなくなる理由とその対処法

投稿日:2015年12月28日(月)
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英語の長文の読み方については私自身非常に悩みました。今でこそ多少なりとも読解できるようになりましたが、以前は本当に英語の長文を読むことができませんでした。なぜ読めなかったのか? それは読み方がわからなかったからです。

感覚的な読み方では通用しなくなる

突然ですが、皆さんは初めて英語の長文を読んだ時のことを覚えていますか? 細かいことはわからなくても、何となく感覚で読んだはずです。そのような感覚的な読み方をするのはそういう読み方しか知らないのですから当然です。しかしそういった読み方でも、文脈を把握する力のある方は高校受験程度までは乗り越えることができるものです。だから感覚的な読み方でも問題ないと思うわけですし、そもそもその読み方が間違いだと疑うことなどありません。私もそういうものだと考えていました。

ですが高校に入学するともっと複雑な英語の長文を読むことになります。文の構造が突然複雑になり、そして英語の長文が読めなくなるのです。単語もわかる、文法も勉強した、なのに読めない。こうした状況に陥るわけです。

英文解釈という新たな可能性

それから私はずっと英語の長文が読めませんでしたが、浪人して英文解釈に出会います。正確にはもっと前から英文解釈については知っていましたし、それに関する参考書もやっていましたが、英文解釈をする意味が全くわからず長文読解に繋げることができなかったのです。

高校の文法の中に「文型」という項目があります。場合によっては中学生でも学んでいる文型ですが、これこそ英文解釈のはじまりなのです。しかしこの文型を初めて学ぶ段階で文型を学ぶ意義を理解している方は少ないように感じます。「それまで感覚的に読むことができた簡単な文にSとかVとか書き込んで、5つの文型のうちの第〜文型だ、と言ったところで時間の無駄じゃないか」と私は思いました。実際テストにも出ないので尚更価値がないように感じてしまうのです。

「英文つまみ食い」では既にいくつかの記事を載せていますが、それらの多くが英文解釈なしでは読めないことは閲覧して頂ければおわかりだと思います。やはり英文解釈には価値がないという先程の私の考え方は間違いだったのです。

※このコラムにおける「感覚的に読む」とは、一つ一つの単語の意味を取り出し文脈に沿うように並び替えて日本語訳をつくる、といった読み方のことです。今後登場する「英語を英語のまま理解する読み方」とは英文解釈が根底にあるという点で大きく異なることに注意してください。

なぜ英文解釈がなければ英語の長文は読めないのか

次の文を見てください。

Tom punched Bob.

とても簡単な文ですね。「TomはBobを殴った」という意味です。しかしどうしてこのような訳になるのでしょうか? もしあなたが先生だとして、「BobはTomを殴った」と訳した生徒がいらっしゃった時、あなたはどのように説明しますか?

その根拠となるのが英文解釈になるわけです。英語は5つの文型から構成されます。そしてそのどれもがS(主語)から始まります(もちろん倒置のケースもありますが、ここでは省きます)。したがってTomのような名詞が文頭にあるのなら、それはSだと言えるのです。この時点でBobをSとする「BobはTomを殴った」という訳の可能性はなくなりました。

二つのアプローチから英語を読む

こうしてみると英文解釈というのは曖昧性を消すための道具であることがわかります。英文解釈がなければ先のように二通りの訳がありますが、英文解釈によって一つに定めることができるのです。もちろん全ての文が英文解釈によって一つの訳に定まるわけではありません。文脈も含めて考えることは避けられません。ですが、ただがむしゃらに感覚的に読むよりは断然効率が良いと思いませんか? 一つの文に対して、英文解釈と文脈という二つのアプローチがあった方が読解できる文章は増えます。こういうわけで私は英文解釈を身につける必要があると考えるのです。

ここで「英文解釈を学ぶ理由はわかったが、一体どうやって勉強すれば良いのか」という疑問が浮かんでくることでしょう。これについてはおすすめの参考書の紹介しながら説明していきます。

英文解釈の勉強法

英文解釈の基礎を学ぶには「入門英文解釈の技術70(桐原書店)」がおすすめです。英文解釈の基礎そのものについては私がここで説明するよりもこの本を何周もやって頂いた方がよいと思います。

私は受験の時にこの参考書以外の参考書も使用していました。正直、最初にこの本を薦められて使用した時はよさがわからず、一周か二周程度でやめてしまいました。受験が終わってこの本が見つかった時、何となく読み返してみたところ、受験で出る構文のほとんどと言っても良いくらい、この参考書に盛り込まれていました。予備校の授業を受けたり、レベルの高い英文解釈の参考書も使っていたのですが、それらの根本にある英文解釈の基礎が「入門英文解釈の技術70」には書かれています。

基礎は簡単?

少し話が逸れますが、基礎=簡単、ということではないと思います。これは私が受験生の頃にどこかで聞いた言葉なのですが、しっかりこの言葉の意味を理解できたのは受験終盤でした。「基礎って意外と抜けているものなんだ」と後になってわかりました。基礎はいくらでも教科書などで目にしますから、わかった気になりがちです。しかし本当はわかっていなかったということは頻繁にあります。それはつまり、「ただ暗記していた」とか「そういう項目があった」といったことを知っているだけで、自分の道具として無意識のうちに使いこなすことができなければ基礎を理解したとは言えないのです。そしてこのレベルにまで持っていくのはとても時間がかかりますし、地味な作業の連続です。しかしこうして修行するしか基礎を身につけることはできないのではないかと思います。焦って基礎をないがしろにして難しいものに手を出しても、効果はあまり期待できません。

そういうわけですから、この「入門英文解釈の技術70」を軽視せずに丁寧にやり込んでいくことをおすすめします。個人的には英文解釈の参考書は「入門英文解釈の技術70」だけでも十分だと思います。それこそ「入門英文解釈の技術70」をマスターすれば以前とは見違えるほど英語の長文が読みやすくなっているはずです。

ただいつまでも英文解釈を丁寧にやっていくわけにはいきません。試験では時間が限られていますし、普段からスラスラと読めるに越したことはありませんよね。そこで、英文解釈から実用的なレベルの長文読解に至るまでの流れを説明していきます。

英文解釈から英語を英語のまま理解する読み方へ

英文解釈を意識的にできるようになった私は何から何まで文型を分類し、どの部分がどこを修飾しているのか、などを非常に細かく書き込みながら英語の長文を読んでいました。しかし、これはこれで問題なのです。もちろん英文解釈を習ったばかりで、これから英文解釈を習得していこうとしている方にはよい勉強だと思います。ただある程度慣れてきた方は次のステップに行かなければなりません。

次のステップとは構文をあえて書き込まずに読むことです。受験で求められる読解のスピードに到達するためには英語を英語のまま理解する必要があります。このレベルでは当然構文を書き込んでいる余裕などありませんし、日本語を介することもあまりできません。もちろん英文解釈を学んですぐにこの状態になることは不可能ですが、日々訓練を積み重ねることで次第にそのレベルに近づけるようになります。

そしてその訓練方法が先程書いた、構文をあえて書き込まない読み方なのです。これを何度も何度も繰り返します。最初はうまく英文解釈を活かせなくて手間取るでしょう。しかし強引にこの読み方を続けていくと無意識のうちに構文が把握できるようになります。構文をわざわざ書かずとも手に取るようにわかるのです。本当に地道な勉強ですが、この読み方を続けていくことで英語を英語のまま理解できる頭になっていくのです。

※当たり前の話ですが、構文をあえて書き込まない読み方でも、試験などでない限りは、よくわからなかった文にはチェックをつけ、全体を読んだ後で丁寧に読解することが大切です。なぜ読めなかったのかをその都度確認することで、それまで知らなかった英語の構文をインプットすることができるからです。わざわざ「全体を読んだ後で」としたのは、「わからなければ飛ばして次の文を読むこと」を習慣化するためです。というのは、実際の試験では一つの文に対してそれほど時間をかけていられないですし、その後を読むと理解できる場合が多々あるからです。

最後にこれまでのまとめと、より高みを目指す方に向けて少しコメントをさせて頂きます。

紹介した私の長文読解の勉強法

これまでに紹介した私の長文読解の勉強法をまとめておきますと以下のようになります。

①英文解釈の基礎を学ぶ。
②たくさんの英語を丁寧に英文解釈する。文型を書き込んだり、何がどこを修飾しているかなども書く。
③あえて構文を書き込まないで読み進める。わからなかったところは後で構文を書き込んで考え、その都度構文をインプットする。

それでもまだ読めない英文がたくさんある

私はこの流れで英語の長文を素早く処理できるようになりました。しかし時には全然読めない英文も出てきたのです。そういった英文は③で書いたように後で構文を考えるのですが、結局わからないまま文脈から理解して終わらせてしまうこともありました。もちろん文脈で読み解くのも一つの手ではありますが、せっかく学んだ英文解釈をもっと洗練させていきたいと思いませんか? そのように感じた私は「入門英文解釈の技術70」よりももっと難しいとされる英文解釈の参考書を勉強したのですが、あまり効果があったとは思えません。一つには私の使い方が悪かったこともあるでしょう。しかし、それだけが効果を実感できなかった原因だとは思えないのです。

「英文つまみ食い」で紹介されている英語には学校や参考書では習わないような構文も含まれています。私が勉強した比較的難易度の高い参考書にも載っていない構文はたくさんありました。おそらくここに効果を実感できなかった原因があるのだと思います。難しい参考書を勉強しても実際の英語の長文にはまだまだ構文のわからないものがある、だから参考書ばかりを勉強するのではなく、生の英語に触れて吸収していくしかない、このように私は考えるようになりました。しかし英文解釈を用いて英字新聞などの英文を解説しているものはありませんでした。ならば自分でやるしかないと考え、私は「英文つまみ食い」を開設しました。

ですから私のように英文解釈を用いながら勉強しており、もっと構文を知って読解に役立てていきたいと考える方に「英文つまみ食い」は非常におすすめだと言えます。

今回のコラムで私が考える「英文つまみ食い」の対象者を示しましたが、そういった方だけでなく、より多くの方々に「英文つまみ食い」を使用して頂ければ幸いです。今後ともよろしくお願い致します。

より実践的に学びたい方へ

英文冒頭解説」では、今回の記事で書いたような考えを踏まえて、英字新聞の冒頭を解説しております。本文と解説を掲載したPDF版もありますので、よろしければご活用ください。

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